2015年10月30日
トコジラミの駆除法
近年、外国人観光客の増加に伴い日本国内にトコジラミが蔓延し、顕
在化しています。
中東や欧米において被害が拡大する中、グローバル社会の到来で国
内に持ち込まれ首都圏・大都市圏において、一般住宅被害も増加傾向
で保健所も対策を呼び掛けています。今後ますます増加するのではな
いかと懸念されております。
外国人観光客の衣服や持ち物に付着して持ち込まれたトコジラミが宿
泊施設を介して伝搬し、衣服や持ち物に付着して自宅に持ち帰ること
により被害が拡大していることもトコジラミの拡散の一因として考えら
れています。
トコジラミ対策には、刺されないようにするための物理的な防護法とし
て、ベッドの足に防護皿を施し登れなくする方法、寝具のカバーを微細
にし虫が通り抜けできないようにする方法などがあります。
その他、加熱することにより殺虫する方法があります、部屋全体を加熱
する方法やトラックに積載された加熱装置に家具や寝具を入れ加熱し
て殺虫する方法、隙間に隠れている虫に対して熱風や蒸気により殺虫
する方法や逆に冷凍ガスを噴霧して凍死させる方法があります。
一番ポピュラーな対策法としては、薬剤を散布したり、蒸散させること
により虫に接触させ殺虫する方法があります。
主に有機リン系或いはカーバメート系殺虫剤の使用が推奨されてお
り、残効性に優れたマイクロカプセル剤やジクロルボス乳剤(低臭性)、
ジクロルボス樹脂蒸散剤がトコジラミの殺虫効果が高いようです。
逆に薬剤抵抗性が問題になっているピレスロイド系の煙霧剤・薬散剤・
エアゾール剤では駆除は難しいようです。
殺虫例としては、室内の点検を行い発見する都度殺虫します、その後
生体が確認できなくなった段階でエアゾール等によるフラッシング(逃
げ出し効果)や蒸気による加熱を経て、細部まで点検して発見殺虫に
努めます。
家具類は、黒色のビニール袋で覆いテープで完全密封して、その時ジ
クロルボス蒸散剤を同封し1日程度放置した後、晴天時に1日天日干
しを行う。薬剤で生体を殺虫し、太陽光の熱により殺卵します。
熱を嫌気する物品は、単に完全密封して3週間ほど放置して、孵化期
間経過後に蒸散剤を1日程度同封して孵化した直後に殺虫する。
このような処理に並行して目視点検殺虫を行い、家具物品を移動した
何もない室内空間内へ主に床面を中心に残留性があるマイクロカプセ
ル剤を混入した低臭性のジクロルボス乳剤を散布してそれに加えて蒸
散剤を設置して殺虫に努める。早くて1週間で卵が孵化することを考慮
すれば2週間程度は部屋の利用を控え、孵化した虫の殺虫に専念す
る。
孵化したトコジラミは、1年間無吸血でも生存が可能といわれており、
発見して殺虫することが最も大切。光を嫌います。
換気口やドアの隙間を密閉して施工する。
施工時の虫の移動を防止するために衣服・靴・手袋等の着脱を徹底
する。
大切なのは、日常の目視点検と拡散対策です。人の衣服や持ち物に
付着した虫はその宿主の移動により拡散します。
例えば、宿泊施設の客室で被害が発生して人が移動すると移動した
部屋に拡散しています。生息部屋の清掃時の清掃資機材を介したり、
寝具を介したりして移動します。
欧米の宿泊施設では、客室全室についてベッドメーキングの際に必ず
目視点検を行っているようです。
外国のホテルは殺虫剤を常備している客室もあるようです。
国内においては、そこまでの対応が必要なほどではないにしてもせめ
て外国からの宿泊客が泊まられた客室については念入りに目視点検
することが必要です。ここをクリックすればトコジラミの動画がご覧にな
られます。
生態等についてはここをクリックして下さい。
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Posted by 大嶺健太郎 at 12:02│Comments(0)
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